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help リーダーに追加 RSS 『自問力のリーダーシップ』(グロービス 鎌田英治)

<<   作成日時 : 2008/12/01 23:24   >>

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著者は長銀入社、38歳で破綻を経験してグロービスで講師をされている鎌田さん。放送作家の杉原さんが脚色しているとはいえ、どのケースも現実味があって、ノンフィクションとはいえ結構感動したりする。

一番心に響いたのは下記のフレーズ。

池永さんのケースは、すべて自分たちを中心にして物事を判断してしまい、協働者や利害関係者への「利他」の発想が抜け落ちてしまっていたことです。
事業は継続することが重要です。協働、共生の基本は、特定の人間の一人勝ちを避けることです。自己の功を急ぐ態度は、不思議なものですぐに周囲に伝わります。そしてその瞬間、人心は離れます。まず「利他」を考え、その後に「自利」が来るという意識が大切なのです。
人は熱心になればなるほど、自分の視点でものを見てしまうものです。事象や状況を、自分に都合よく判断しがちです。成果へのこだわり、使命を全うしようとする責任感の裏側にある強引さ、傲慢さ−誰もが陥りがちな罠です−を冷静に認識し、自らをうまく制御し、律する。そうした意識もまた、「リーダーが持つべき気構え」と言えます。


ドラッガーは
リーダーの定義とはそもそもフォローアー(つき従うもの)のいるもののことである 
と言っている。

第1章ではキーマンスソフトウェアの南雲部長が会社のタスクフォースチームのリーダーを任されるという設定です。信頼できる若手に任せていたらチームは空中分解してしまいます。原因は南雲部長がリーダーとしてチームに目標・ゴールを明確に打ち出し、関係者を巻き込む努力が足りなかったからです。リーダーは 良きに計らえ ではなく、チームの目標、ゴールまでのイメージを動画のように明確に打ち出し、そしてリーダーの意思をメンバーの隅々まだ伝達するサブリーダーが必要であるということを述べています。

第2章は本社のエリートースに乗っていた49歳の部長さんが急に赤字部門に異動になったという設定です。赴任の時から赤字部門を片付けて成果を出して早く本社に戻ろうというスタンスに年長の現場長が辞表を出してしまいます。これも自分の功を急ぐばかり、現場の声に耳を傾けなかったということと、自分の部下達の仕事に対するコミットメント度合い、献身度が足りなかったということだと思います。主人公の大学の同級生は、出向先に自ら転籍して陣頭指揮にあたったと言います。部下の人たちはリーダーが自ら一緒にをかく人なのか、逃げない心を持っている人なのかを敏感に察します。

勘違いしているリーダーの典型的なパターンというものを紹介しています。
・自分の言いたいことだけを言って、「あとはヨロシク」と役割を果たしたつもりになる
・一度か二度言っただけなのに、「何度言ってもわかってくれない」と嘆く
・「いや〜最近バタバタしちゃって、話す時間すらとれなくてごめんね」など、いつもいい訳ばかりしている。
・「若い連中は結局どう言っても伝わらないものよ」と勝手に決めつける
・「知りたきゃ、聞きに来るのが筋でしょう」と筋違いの開き直りと役割放棄をしてしまう


第3章は結果へのこだわりがテーマ。飲料会社の池永部長は新たにCSR推進室長に配属になる。そこでNPOとの共同イベントを取り仕切ることになるのだが、多忙を理由に部下からのNPO団体長との打ち合わせの参加要請を断ってします。NPO団体長は企業側の強者の論理によるイベント開催に反対の意を唱え、非協力的になる。ここでの学びはリーダーの結果責任についてです。

結果責任は、文字通り結果に関する責任です。もしある組織の結果が思わしくない場合、特に目標未達の場合、その責任をとるのはあくまでリーダーです。結果が伴わない理由としては、リーダー自身のパフォーマンス不足はもちろんのこと、メンバーのパフォーマンス不足や会社のサポート不足、急激な外部環境変化、あるいは予期せぬトラブルなど、リーダーとしては「自分の責任ではない!」と叫びたくなるケースもあるでしょう。しかし、そうしたケームも含め、最終的には、リーダーが結果に対する全責任を負わなければならないのです。


だから部下に任せたから失敗したのは部下のせい、ではダメだということです。部下をフォローし結果が成功するようフォローする(フォローしすぎないように)のがリーダーの役目だということです。

当事者意識を高めることもとっても重要なことです。
当事者意識とは、「組織の問題を自らの問題としてとらえ、自律的かつ本気で知恵を出し、問題発見や問題解決に向けて本気で行動しようとする意識」のことです。「自ら」と「本気で」がキーワードです。(中略)
では、どうすれば当事者意識を高められるのでしょうか。私は、責任を自覚させる早道は、「責任を全うするということは、その仕事の目的・意義をどうとらえたうえで、何をどうすることなのか」をとことん考えさせ、本人自らの言葉で語れるように導くことだと考えています。


第4章はブライダル・エッジの橋本冴子取締役。ベンチャーからスタートし会社の規模も大きくなり有名にもなったが、ある日部下たちが集団退職する。失意の思いで実家に帰って一通り愚痴言った帰り道、造船会社の中間管理職としてつとめあげた父親から
「おまえ自身が心の底から仕事を楽しむことだよ。そうすれば自然と人はついてくる。」
とのアドバイスをもらう。

一般的に、責任への意識が強ければ強いほど、「責任を果たす」ことを、「自らが実行すること」と同義に捉えてしまいがちです。地位が上がれば、自らの弱点を認めづらくもなります。自分にできないことをはっきり認識し、その不足分を他者に支援してもらう、というのは大変勇気のいることと言えます。
ホントウに自信のある人というのは、非常に謙虚なことが多いものです。おそらく、常に自らを相対化し、何が足りていないかを確認することがが習慣になっているのでしょう。謙虚さを伴わない自信は、単なる傲慢です。一方で、自信というものがいささかも感じられない謙虚さは、卑屈な印象を与えてしまいます。自立したプロフェッショナルが、自分とは異なる専門性を持ったプロフェッショナルに対してリスペクトの精神を忘れないのも、同じ理屈と言えるでしょう。自信と謙虚とは、実は表裏をなす関係になるのだと思います。


2008_048
自問力のリーダーシップ (グロービスの実感するMBA)
ダイヤモンド社
鎌田 英治

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